リンデにおこしくださりありがとうございます。
日曜の黄昏。
無人の店内では、今しがたお客様同士の「インク談義」が繰り広げられ、
今年も一人ひとりが持ち寄った色の魅力と
それにまつわる思い出話を耳にすることができました。
福岡はもとより、国内だけでも長崎や熊本、別府、神戸、さらには大阪と、
郷に入ればと言わんばかりに、“いろいろないろ”を目にすることができました。
写真は、明石文昭堂製造「Yuagari Pink」。
参加者Hさんが別府を旅した時に出会ったというインクは、
温泉地の情緒を感じられる一本でした。
風呂上がりの……美しい……ご婦人の……火照った……柔肌……。
などと無駄に文を区切ってしまうと、風情どころか
かえって訳ありな状況を表立たせてしまうので控えますが(ってもう書いてますが)、
色とネーミングのバランスたるや、
湯どころの風情をぴしゃりと突いていると感じませんか。
湯上がりの火照った肌色=Yuagari Pink。
人が時々の状況や心境で入手したインク。
それはかけがえない時間に巡り会った、その人だけの愛おしい記憶のようなものではないかと
リンデは感じています。
旅先で。
あるいは、仕事中に。
あるいは、贈り物で。
あるいは、自分への褒美に。
文具を愛する人のささやかな幸せが、彼らが語る言葉の端々につまっていて、
話が一区切りつくたびに、あたかも自分もその場にいたような不思議な感覚さえありました。
参加者全員の“インクプレゼン”が終わったら、お約束の“交換タイム”の幕開け。
しかしまたこれが、特定の色を選ぶ作業が……、意外と難しいんです。
ちなみにリンデは、参加者の全員と色の交換ができました(ラベルも手書きした!)。
小売店の身とはいえ、普段目にする機会のないインクも多く、
また何より、今回も人の幸せな思い出をお裾分けいただき、本当に嬉しかったです。
会にご参加のみなさん、ありがとうございました。