サトウアキコさんと切り紙2

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色紙も雑誌も、はたまた端切れも、サトウさんの手にかかれば
たちまち命宿る動物に様変わり。ともすれば意思さえも感じられる。

一方的な再会の約束が実現した日、
サトウさんは“約束どおり”日ごろのアートワークを
ポートフォリオにして私に見せてくださいました。

コーヒー豆を挽くマントヒヒ、傘をさすライオン、ピザ生地をこねるきつね。
IMG_5739紫陽花を手にする猫、二輪車にまたがるゴリラ。

動物たちの表情からうかがい知れるのは、
私という人間生活にある悲喜こもごもが、愉快な世界のなかに
実に率直に描かれているという点です。

たとえば、
サトウさんが二輪車にまたがるゴリラにつけたタイトルは「叫びたい日もある」。
思わず感情移入してしまう。

猛獣ライオンがひ弱な傘で大雨をしのぐさま。
強さとはなにか、問われているような気もする。

いちいち啓蒙的な観念でとらえるものではないかもしれない。
ただ私は、彼女の切り絵を前に、さっきまでの人生観をわずかに顧みる時間をもてました。

コミカルともチャーミングとも言い知れぬサトウさんの“絵”、切り絵。

紙を貼り合わせるだけで、ほんの自分にさえ、
これほど何か問いかける世界をつくりあげられる技術(感覚)があることを知った今、
私は、彼女のアートワークの紹介とともに、この切り絵を今月の「手紙のじかん」に実施できないかと考えました。

次回につづく。